2018年01月11日

何が違うの?ペアレントメンターの役割

新しい一年を迎え、そして年度末に向かい2017年度事業も再開といったところです。1月からは、ペアメンCafe、ペアメンCafeせいねんきの部屋、ペアメンCafe体験会、ペアレントメンター養成講座とたくさんの企画が動きだしました。お近くの方、お時間の許される方、ぜひ私どものペアレントメンターに触れて欲しいと思います。


今日は、制度やサポートの仕組みの中で位置づけられてきた家族支援の取り組みを考えてみたいと思います。


発達の気になる子どもや障がいのある子どもを持つ家庭にとって、支援対象として考えることは、我が子である本人に対する支援を念頭におきます。そして、その次は我が子の影に見え隠れする親を含む家族に対する支援であると思います。


日本の福祉制度では、「本人に対する支援=家族の支援」という方程式において支援制度が運用されてきたように思います。実際に行政が考える家族の支援は、突き詰めていけば、本人への支援は家族への支援であるとも言えるからです。一方で、その隙間を縫うように、保護者の悩みや不安に対して相談対応が期待されるのは、保育や教育現場の先生、施設や支援事業所の専門職者他に、市長村が委託する知的障害者相談員や身体障害者相談員といった人々もいます。


行政が定期的に行っている本人や家族への相談活動と言えば、制度としては長く続く制度(知的障害者相談員や身体障害者相談員)で、あまり知られていないかもしれませんが家族支援を視野に入れた支援活動も期待される活動です。


ところで、こうした相談は十分に活用されているのか、または活用する方々がいるのかわかりません。恐らく利用者がいるだろうと思うのですが、利用者からの声が聞こえないのです。


主にこの活動を委嘱されるのが、その地域での親の会に携わっている方をはじめご本人たちの生活や家族の生き方を知っていると考えられる方々、相談事業所の専門職者、場合によっては当事者(身体障がい)などに委嘱されているようです。


ところがこの相談員の仕組みが、うまく機能しているかと言えば、必ずしもそのような状態ではないことも良く耳にします。


強い願いや思いを持つ方が相談員として活躍されているようです。例えば、相談を受ける保護者が、比較的、若い保護者であることがあります。そうなると、年長者の保護者から若い保護者にとっては厳しい言葉が投げかけらてしまう。そうすると、足が遠のいてしまうという、いろいろな意味で悪循環に陥ってしまう。


こうした事と似たようなこれらの問題は、地域の親の会でも見られる世代間のギャップの問題で、長い間、この手の問題は繰り返されているように思います。


私なりにいろいろな親の会や親が集まった活動を見てきましたが、みんなの為なのか?、我が子の為なのか?、そこが、すれ違いを引き起こす分かれ道のように思います。


でも、発達の気になる子どもを持つ保護者が日常的に抱える悩みは、出てきては解決されないまま忘れられ、また出てきては解決されないまま忘れられ、そのような生活が繰り返されていくわけです。


我が子は成長していく、でも我が子が成長する姿を実感できていても、親や家族が抱える心のザワザワや葛藤、イライラなどが、言葉にならない負担感が、月日とともに積み重なり、心身ともに慢性化していく家庭が少なくないように思います。


家庭が持つこうした負担感は、結果的に、本人の生活機会や選択決定、そして生活者としての生き方に直接、親の抱える課題が交錯して影響を与えます。


別の言い方をすれば、我が子が学校に通っていても、施設に通っていても、親の心の空模様は、どこかで曇っているのが、親の置かれた現状であると考えるべきなのです。我が子の成長と支援を受けることができている現状と日常的に親が抱く心理的な負担との間には、常に何かギャップが存在するからです。


どうして親や家族、このような状況に置かれてしまうのでしょうか。親にとって、地域の中で、自分の本音を語れるような場がありません。


いや、親の会などかあるじゃないか!・・と思わる方がいらっしゃるかと思います。


でも、簡単ではなくて、既に指摘したように、我が子の利益が直結すると、関係がギクシャクして感情的になってしまう。だから、本音を語れそうで語れない悪循環になってしまうことが多いのです。


一方で、そうした状況の背景にある社会の中にある優劣思想の問題です。社会にある障がいに対する狭い認識や誤った理解、そして優劣がすべてのような生き方を良しとする風潮を見聞きすればするほど、親は、頑なに身構えて生活をせざるを得なくなります。親だけでなく支える立場の人間もまた、この中に巻き込まれて生活が流れていることを深く自覚する必要があります。


親にとっては、自分の想いを語るにしても、相手は自分のことを受け止めてくれる人々であるのかが重要で、現状では、そうした安心感なしには、やはり語れないのです。これは、夫婦間であっても発生してしまう問題です。


どうしたら一人で抱え込まずに子育てができるようになるのでしょうか?。それを考えて、原点に立ち戻ると、家庭にとって大切ことは、親自身が心の中で封印してきた心のモヤモヤや不安を自分の言葉で語れる相手や場に巡り会える環境を地域の中に作り上げなければなりません。


ペアレントメンターかがわの取り組みは、香川県全域をフィールドにして、発達の気になる子どもを持つ家庭が、隠れて子育てをしなくても堂々と子育てができる地域社会を作っていくことだと考えています。それは、社会にある優劣思想に立ち向かうチャレンジでもあると考えています。


ペアレントメンターの役割は、メンターがこれまでの子育てで遭遇してきた体験や工夫を伝えていく活動です。また専門職者が伝えきれない支援を、当事者視点の中で、相談にやってきた相談者を共感的に理解して、生き方を伝えていくことが、ペアレントメンターに求められます。


先に指摘したように、世代間のギャップや我が子の利益に関わるすれ違いの問題を認識しながら支援活動を行なっている所に、意味があると考えています。だから、ペアレントメンターとして活動される方には、養成講座を行い、ペアレントメンターの意義や役割を理解してもらい、活動に参加してもらうことが重要なのです。


私たちのペアレントメンターは、メンター自身がこれまでの子育て体験を語る事はありますが、けっして先生ではありません、指導者でもありません。相談員と同じく子育てをしている親でもありますが、メンターもまた相談員者の声に耳を傾けながら、親として経験を積み重ねながら、親としての成長の過程にいる一人の人でもあるのです。

posted by NPO法人ペアレントメンターかがわ at 18:09| 香川 ☁| Comment(0) | 代表理事のつぶやき | 更新情報をチェックする